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心外なアドバイス
「心外なアドバイス」という言葉を定義してみる。
言われた時に「え?」と一瞬考え込んでしまうような、自分では気づいていない盲点や課題を指摘される時のことだ。
心外なアドバイスは、自覚できていない(だからこそ心外に感じる)。
すでに自覚している問題であれば、わざわざ指摘されることはない。
心外なアドバイスは、いわば自分の中の「影」のようなもの。
意識から遠ざけがちで、認めたくない部分である。
そして、この「影」は、周囲の人々との関係性の中で、ますます見えにくくなっていく。
「直せない人」「直さない人」だとみなされると、アドバイスはされなくなってしまう。
心外なアドバイスを素直に受け入れることは、とても難しい。
そして受け入れてくれない言葉を何度も根気強く伝え続けることも、同じかそれ以上に難しい。
そして、考えてみてほしい。
私たちは、どれほどの頻度で他者からアドバイスやフィードバックを受けているだろうか。
それは、氷山の一角に過ぎないはずだ。
多くの人は、他人に対して様々なことを感じ、考え、伝えたかった言葉があるだろう。
しかし、相手を傷つけたり、関係性を悪くしたりするのを恐れて、その言葉を飲み込んでしまう。
つまり、私たちは、実際に体験できるアドバイスの回数よりも、そのアドバイスを自分に対して向けるか迷って葬り去られた機会の回数の方がはるかに多い状況で生きていると言える。
この状況は、ある意味で「悪循環」を生み出している。
アドバイスはそもそも、耳にすることそのものが難しい。
よく耳にしないからこそ、心外なアドバイスは、より「心外なアドバイス」として確固たる地位を築く。
確固たる心外なアドバイスは受け入れがたく、だからこそ改善が難しい。
そして、改善が難しいからこそ、周囲はそれを指摘することを諦めてしまう。
結果として、私たちはますます自分の「影」を見えなくしてしまう。
この「悪循環」を断ち切るためには、私たちが積極的に「心外なアドバイス」を求め続ける必要がある。
決して簡単なことではない。
しかし、自分の成長のために、そしてより良い人間関係を築くために、この困難に立ち向かう必要があるのだ。